中日新聞「付けてみませんか」

このユニークなる(伝統と現代の衝突じゃぞ!)中日新聞の付け句コラムは1990年にはじまっています。最初は朝刊の「辛口診断」という時評コラムの中でした。矢崎藍担当コラムで、ある日、付け句の話題を紹介して、「あなたも付けてみませんか」と、(いわば言葉の綾で)文章をしめたところ、読者から付け句がきたのです! 掲載するとまたきた! やっほっほ、どーしよー! とうれしい悲鳴が続いて、とうとう「募集、しめきり、発表」という形をとるようになりました。ちなみに最初の記念すべき前句と付け句は
     恋なんてどうでもいいと古稀は言い  敏女
       それでも赤い薔薇が好きなの、  しげる
でした。くわしくは『連句恋々』(筑摩書房)に書いてあります。
1996年に「矢崎藍の付けてみませんか」として独立、日曜日の読者総合特集ページへ。
1998年に(金)夕刊に引っ越し、文化欄「矢崎藍付けてみませんか」 
2001年10月から東京新聞にも同時掲載となり、
2003年6月から朝刊掲載となり現在に至っています。
 募集10日後しめきりがふつうで、5、6回のコラムの中で発表となります。「今を、共に、語る!」という対話的付け句コラムの内容は終始変わっていません。
『平成付け句交差点』(筑摩書房)はこの欄の精選付け句集です。

  1. ひとつ飛ばしで上る階段 やっこ (2015/9/6~11/9)
  2. 月の夜のこっそりのぞく冷蔵庫 真美 (2015/8/6~9/17)
  3. あなたの気持きいてみたいの ヒロ (2015/6/18~8/6)
  4. 信号待ちにどっと薫風 れい (2015/4/23~6/18)
  5. 此やうな末世を桜だらけ哉 一茶 (2015/3/5~4/23)
  6. 寒い空すうっと息を吸い込んで ドリー (2014/12/15~3/5)
  7. いつのまにやら午前一時に とけた (2014/11/13~12/15)
  8. この星にいてなぜか出会えた 里奈 (2014/9/18~11/13)
  9. ひととき止まる蝉の合唱 葵 (2014/7/31~9/18)
  10. 傾けてグラスの氷からころと やっこ (2014/6/12~7/31)
  11. またしてもつまらんことでけんかして 芙美 (2014/4/25~6/12)
  12. 夢からさめて辺り見まわす 霧男 (2014/3/6~4/25)
  13. 大切なものがだんだん見えてくる 氷心 (2013/12/16~3/6)
  14. いつになっても片付かぬ部屋 おなすさん (2013/11/14~12/16)
  15. 知り合ってからたった10分 けい (2013/9/19~11/14)
  16. 砂浜の足跡どこへ続いてく ドリー (2013/8/8~9/19)
  17. 夕暮れの駅が吐き出す人の波 みき (2013/6/20~8/8)
  18. 窓をあければ心地よい風 ザリ (2013/5/2~6/20)
  19. 日がな一日花のちる也 一茶 (2013/3/14~5/2)
  20. なぜかこの世に人と生まれて 合 (2013/1/24~3/14)
  21. 凩の街それぞれの窓明かり 唯 (2012/11/8~1/24)
  22. ふたりになって胸がどきどき ドリー (2012/9/14~11/8)
  23. 真っ白な雲暑くなりそう ゆき (2012/7/26~9/14)
  24. こわいもの知らずで生きてゆくこの世 霧男 (2012/6/7~7/26)
  25. 地球はまわる傾きながら ひわ (2012/4/19~6/7)
  26. さまざまの事おもひ出す桜かな 芭蕉 (2012/3/1~4/19)
  27. かきまわしてる珈琲の渦 健 (2012/1/12~3/1)
  28. 待ってよ待って飛んでゆく日々 未知 (2011/11/3~1/12)
  29. ペットボトルをぐいと飲みほす まみ (2011/9/8~11/3)
  30. あかあかと夾竹桃が燃えている ザリ (2011/7/28~9/8)
  31. 隣の席はあいていますか ふさ子 (2011/6/2~7/28)
  32. なんてきれいな今日の青空 みのり (2011/4/14~6/2)
  33. 百まで生きる決心をする 葵 (2011/2/24~4/14)
  34. 手で払ってる自転車の雪 芙蓉 (2011/1/6~2/24)
  35. お互いにいろいろあって明日がくる たつみ (2010/11/11~1/6)
  36. どうも気になる君の存在 ユウ (2010/9/16~11/11)
  37. あら暑しあつし何して暮らすべき 一茶 (2010/7/29~9/16)
  38. 揺れる気持を誰に告げよう ひわ (2010/6/10~7/29)
  39. ふと立ち止まる雑踏の中 珠 (2010/4/15~6/10)
  40. 珈琲ふたつまずは注文 拓 (2010/2/25~4/15)
  41. ちょっと自慢をしてもいいかな あづさ (2010/1/7~2/25)
  42. いそがしと師走の空に立ち出でて 芭蕉 (2009/11/7~1/7)
  43. じっと見つめる君の横顔 みさき (2009/9/10~11/7)
  44. 容赦なく照る夏の太陽 ひわ (2009/7/23~9/10)
  45. ここは落着けまずは一服 たつみ (2009/6/4~7/23)
  46. ぷるぷると震えて止まる洗濯機 あづさ (2009/4/16~6/4)
  47. もう息もできぬくらいに散る桜 みのり (2009/2/26~4/16)
  48. 予報はずれの雪がちらちら けい (2009/1/8~2/26)
  49. 人生という遠い道のり ひわ (2008/11/10~1/8)
  50. 今こそチャンス君に告白 ミルキー (2008/9/15~11/3)
  51. あつしあつしと門々の声 芭蕉 (2008/8/4~9/15)
  52. 星空見上げ話すケータイ 圭 (2008/6/2~8/4)
  53. おっとっとっとビールこぼれる 拓 (2008/4/14~6/2)
  54. ものおもひけふは忘れて休む日に 野水 (2008/2/21~4/7)
  55. 時間よ止まれいまこの場所で のら (2007/12/29~2/14)
  56. いざいざと冬将軍を迎えうつ 葵 (2007/11/8~12/22)
  57. ばったり会った人ごみのなか めじろ (2007/9/13~11/1)
  58. 市中は物のにほひや夏の月 凡兆 (2007/7/26~9/6)
  59. 恋とは不意にやってくるもの 卓 (2007/5/24~7/19)
  60. まいどのことでおせわさまです たつみ (2007/4/5~5/24)
  61. 風に吹かれて胸がいっぱい 珠 (2007/2/22~4/5)
  62. めでたさも中位なりおらが春 一茶 (2006/12/28~2/15)
  63. 足がもつれてもう踊れない 風 (2006/11/9~12/21)
  64. 思いがけない好きのスタート さくら (2006/9/14~11/2)
  65. 今日をひたすら鳴いている蝉 京 (2006/7/27~9/7)
  66. ちょっと待ってと呼びとめる声 蘭月 (2006/6/8~7/20)
  67. 泣きながら一人生まれてきたんだよ かよねこ (2006/4/13~6/1)
  68. 愛してるって言ってちょうだい 藍 (2006/2/23~4/13)
  69. 大根も煮えおでんふつふつ 健 (2005/12/22~2/23)
  70. 金色の落ち葉かさこそ吹かれてく 洋 (2005/11/10~12/22)
  71. 呼び出し音に胸が高鳴る 翠 (2005/9/15~11/3)
  72. さあ今日も長い道のり一歩ずつ とろっぺ (2005/7/20)
  73. アスファルトをうつ大粒の雨 聖子 (2005/6/2~7/20)
  74. 魔法使いが杖をひと振り ひわ (2005/4/21~6/2)
  75. いつのまに雪はしずかに降りはじめ あづさ (2004/12/30~2/25)
  76. ツリーのてっぺん星が見ている 成富屋 (2004/11/11~12/30)
  77. 君が好きだと気づく瞬間 奏 (2004/9/23~11/11)
  78. 父と子の言葉とぎれて蝉の声 麓天 (2004/8/5~9/23)
  79. 月は涼しく中天にあり 霞 (2004/6/17~8/5)
  80. 今ならいいわ誰も見てない 公仁子 (2004/4/22~6/17)
  81. ふたりだと胸がつまって苦しいの みのり (2004/2/26~4/22)
  82. いやですいやだ絶対いやだ ザリ (2003/12/25~2/26)
  83. 体育館の窓の夕映え ジュン (2003/10/30~12/25)
  84. 恋という熱じわりあがって おはぎ (2003/8/21~10/30)
  85. 水晶玉に未来尋ねる R (2003/6/19~8/21)
  86. ぜんぶ話すよ今までのこと うさぎ (2003/4/23~6/19)
  87. いち、にっ、さんしとつづく人生 おはぎ (2003/2/26~4/23)
  88. 恋情のただやるせなき雪ぐもり 聖子 (2002/12/25~2/25)
  89. 横顔の君にきょうこそプロポーズ ななしげ (2002/10/8~12/18)
  90. 命あふれて好きな日盛り (2002/8/2~9/27)
  91. 母さんに会ったら涙こぼれそう (2002/6/21~8/6)
  92. さわさわとふたりの中を過ぎる風 (2002/4/19~6/14)
  93. おおきくひとつ息をしてみる (2002/2/15~4/12)
  94. ざぶりとつかる湯はあふれ出て (2001/12/28~2/8)
  95. 秋深き隣は何をする人ぞ (2001/10/26~12/21)
  96. あなたにひとつ言いたいことが (2001/9/7~10/26)
  97. 誰にも内緒そっと寄り道 (2001/7/13~9/7)
  98. 土曜二時半雑踏の中 (2001/5/25~7/6)
  99. あなたが好きよ規格はずれで (2001/4/6~5/18)
  100. 振り返ったら妻がにっこり (2001/2/16~3/30)
  101. 2001年元旦の膳 (2001/1/5~2/9)
  102. 信号がもうすぐ赤に変わります (2000/11/17~12/22)
  103. ふと目が合った恋のはじまり (2000/9/29~11/10)
  104. 氷カランと麦茶の香り (2000/8/4~9/22)
  105. ぼんやり見てる窓越しの雨 (2000/6/16~7/28)
  106. あなたを見てたずっと前から (2000/4/21~6/9)
  107. 不況にもめげぬ男はつらいこと (2000/2/25~4/14)
  108. 朝の光が透けるカーテン (2000/1/7~2/18)
  109. 濃すぎるかしらけさの口紅 (1999/11/19~12/24)
  110. 急がないのがうちのモットー (1999/10/1~11/5)
  111. 電子レンジがチンと鳴る夜(1999/8/13~9/24)
  112. むくむくと入道雲が立ち上がり(1999/6/11~8/6)
  113. 不覚にもまた恋をしそうな(1999/4/16~6/4)
  114. 働きすぎてちょっと疲れて(1999/2/26~4/9)
  115. あと一年で二千年なり(1999/1/8~2/12)
  116. あと一年で二千年なり 愛 (1998/12/25-1999/1/29)
  117. あれやこれすべてを忘れ嫁ぎゆく 道子 (1992/07/14 - 07/30)
  118. いま死なせてと雪の十和田湖 聖子 (1992/07)