命あふれて好きな日盛り (2002/8/2~9/27)

命あふれて好きな日盛り   わび太に付けてみませんか
  (8月2日-月 日)

水曜日にかわります』              9/27(金)中日夕刊
    (命あふれて好きな日盛り)
つないだ手なぜかうれしく振りまわす     麻
 おまけの楽しい一句をご紹介して今回の付け句発表を終えます。多数のご応募ありがとうございました。
 同じ前句に高校生からご高齢の方まで2002年夏の思い、生活感のさまざま、想像を楽しんでいただけたでしょうか。短い句なのに同じテーマはあってもまったく同じ言葉の付け句はないのは、いつも私の驚きです。夏の日盛りの生、自然をいとしみ,謳歌しつつ、戦争、地雷、ペットボトルの山、肥満カラスの句と、私たちが直面する今の不安も現れていた今回です。 
 で、父母、ジジババから赤ちゃんの句も多かった。
  (命あふれて好きな日盛り)
ちっちしておっぱいのんでげっぷして   美千子 
は、ご紹介した句ですが、ちっちーー子どものおしっこの句十数句ありました。この赤ちゃんたちの未来に「命あふれて好きな日盛り」を残せるか。いま、責任のある私たち。
 ところでこのコラム、10月から掲載日がかわり、同じ夕刊ですが、毎水曜日になります。東京新聞掲載との調整のためで、来週の金曜日はお休みです。つぎの掲載は10月9日(水)で、つぎの付け句募集のスタートをしますのでくれぐれもお見逃しなく。
 (やざきあい 作家・桜花学園大学教授)  
命あふれて』                       10/1(火)東京朝刊
    (命あふれて好きな日盛り)
つないだ手なぜかうれしく振りまわす     麻
 おまけの楽しい一句をご紹介して今回の付け句発表を終えます。多数のご応募ありがとうございました。
 同じ前句に高校生からご高齢の方まで2002年夏の思い、生活感のさまざま、想像を楽しんでいただけたでしょうか。短い句なのに同じテーマはあってもまったく同じ言葉の付け句はないのは、いつも私の驚きです。夏の日盛りの生、自然をいとしみ,謳歌しつつ、戦争、地雷、ペットボトルの山、肥満カラスの句と、私たちが直面する今の不安も現れていた今回です。 
   (命あふれて好きな日盛り)
異常なし回転ドアに雲浮かび      タンゴ碧空
は、都市の高層ビル街のあすしれぬ不安で怖かった。 
 で、父母、ジジババから赤ちゃんの句も多数。
  (命あふれて好きな日盛り)
ちっちしておっぱいのんでげっぷして   美千子 
は、ご紹介した句ですが、ちっちーー子どものおしっこの句十数句ありました。この赤ちゃんたちの未来に「命あふれて好きな日盛り」を残せるか。いま、責任のある私たち。
 もう彼岸花が咲き出しましたね。
 来週は付け句募集です。
 (やざきあい 作家・桜花学園大学教授)  
待っててね 』                   9/20(金)中日夕刊・9/24(火)東京朝刊
   (命あふれて好きな日盛り       わび太)
桃西瓜葡萄の次は梨食べよ          仁太
 食欲旺盛な句、たくさんいただきましたよ。
どこ産と聞いて頂く旬の味         古田耕司
夏野菜父のけっさく食卓へ        服部ひふみ  

   (命あふれて好きな日盛り)
初浴びのチビも割り込むミニプール    石川雅治
Tシャツがひるがえってる物干場    宇井美和子
 暑かった記憶―――。
草抜けば蝉の抜け穴また見つけ      伊藤紘美  
ひと夏に燃え尽きた蝉運ぶ蟻        正地伸子
 こうして生命が循環してゆく。
  (命あふれて好きな日盛り)    
目の前のトマトの向こうは泡立草     古澤由美
 一時は日本のススキを絶滅させると憎まれた外来種の
背高泡立草も、すっかり定着してしまいました。
掘り起こす地球の皮を百姓で         呑利
 地球のリズムで生きたいですねえ。
稲の花細かく揺れて秋を待つ       田淵義明
待っててネ今飛び出すと早産よ      須藤豊子
「赤蜻蛉が群れてくるころ初孫が生まれます」
    (命あふれて好きな日盛り)
片陰にたてかけてある白い画布      長坂節子
  (やざきあい 作家・桜花学園大学教授)
めくるめく 』                   9/13(金)中日夕刊・9/17(火)東京朝刊
   (命あふれて好きな日盛り        わび太)
足元の砂をさらってゆく波に         坂巻静江 
笛吹かれロープが引かれ帆が張られ    公文榮子
 思い出を残し、行った夏。
息子らは海へジジババ山歩き          コン太
熊野道餡たっぷりのパンかじり       船山紗枝

   (命あふれて好きな日盛り)
紫外線恐くなかった若かった          二三子
台湾で生まれ育ちし夏男           松本太一
   (命あふれて好きな日盛り)
携帯と色を揃えた髪飾り           武田礼子
美少女の胸元覗く岩清水           田中淑夫
    (命あふれて好きな日盛り)
老妻のガーデニングに土運ぶ        小澤順三
 88歳。年配になってから夏の輝きに惹かれるように
なったというお便り、いくつかいただきました。
    (命あふれて好きな日盛り)
飼い主も年取り犬も年寄って         福島通子
めくるめく恋がふたたび来ぬものか   加藤美比古
「無理でしょうね」――あら、恋は来るのではなく「する」もの。
ご自分しだいですよー!
    (命あふれて好きな日盛り)
稲の葉を渡る風書くI love you          恵子
      (やざきあい 作家・桜花学園大学教授)
異常なし』                   9/6(金)中日夕刊・9/10(火)東京朝刊
  (命あふれて好きな日盛り         わび太)
帰ったらまず風呂そして発泡酒       山本桂馬
愛犬にフラッペ少しおすそ分け         ふさ子

 暑い日を生きる仲間です。
  (命あふれて好きな日盛り)
太極拳そろりと動く人々の         菅野八重子
剣道の面に隠れて光る汗             洋一 

  (命あふれて好きな日盛り)
孫が来てお部屋冷え冷え昼下がり    福井さき子
 冷房サービス。ひよわな育て方かとも思いつつ。
パソコンに抱きつき視力0.08      優柔不断母
連休のとれない俺の窓の雲             勇

  (命あふれて好きな日盛り)
曲がり角青いトカゲが誘ってる         タヌ公
おばあちゃんケータイ持って家出する   古谷禎子
 長い人生を経て、自由になりたい気持もわかるような。
頼りは、ケータイという情報機器。
  (命あふれて好きな日盛り)
ヒトが埋めた地雷をひとがそっと掘る     ネモン 
 命あふれる大地に、まだ一億個も埋まっているそうです。
世界情勢の中の私たちのいま。
  (命あふれて好きな日盛り)
異常なし回転ドアに雲浮かび       タンゴ碧空
   (やざきあい 作家・桜花学園大学教授)
雲海の』                   8/30(金)中日夕刊・9/3(火)東京朝刊
  (命あふれて好きな日盛り         わび太)
ビーチへGO!ノースリーブに短パンで     あっこ
日に焼けた君にドキドキ登校日     水谷三和子
 ああ、私の夏がいってしまう! お休みも。 
  (命あふれて好きな日盛り)
盆休み墓の草取り布団干し        加藤律子
腹見せて猫も一緒に昼寝中        山田敏彦 
   (命あふれて好きな日盛り)
ちっちしておっぱいのんでげっぷして  桜井美千子
孫がきて狭いわが家はなお狭く        花火
「狭くさせてる張本人より愛をこめて。おばあちゃんありがとう」
――いつか花火さんにも順番がきますよ。
   (命あふれて好きな日盛り)
母と娘のそれぞれ似合う夏帽子      村井由郎
 見ているこの時間のしあわせ。
  (命あふれて好きな日盛り)
紫蘇の実の天ぷら母の十八番       塚本益美
母ちゃんがスイカを食べる音がする   山内美代子 
   (命あふれて好きな日盛り)
手ぬぐいにめだか掬ひし水遊び      久世武治
ふるチンで砂浜走る孫を追う       原田つとむ 

   (命あふれて好きな日盛り)
雲海のずーっと下に僕らの巣         眠り猫
      (やざきあい 作家・桜花学園大学教授)
青を待つ』                   8/23(金)中日夕刊・8/27(火)東京朝刊
  (命あふれて好きな日盛り   わび太)
ムクムクと入道雲のおでましダイ!   木村れいみ
青を待つ電信柱の影の中           麦子
 暑い!
  (命あふれて好きな日盛り)
テニス部の君はどこまで黒くなる       ハル
振り向いてあなたが好きよ熱中症    ゆうメイト
 バタン! 倒れちゃうほどね。
   (命あふれて好きな日盛り)
灼熱の金華山でのプロポーズ       和ちゃん
 「○十年前。ビールと日照りでゆでだこのような顔になり
『俺についてこい』と威張った男あり」
  (命あふれて好きな日盛り)
センセイも起死回生の一策を        パピ
 これ某議員センセイが練ってる策?うう。暑い!
黙祷の球児にダブる少年兵          三子 
八月の広島昭和二十年            獅狼
 いまこそじっと見つめる、あの日盛り。
山を為すペットボトルの空容器       まるひ
黒き傘くるくるまわし若き人       ほほづき
夏の空初産の嫁不惑なり          山田都  
   (命あふれて好きな日盛り)
日本人みんな番号つけられる        源内節
  (やざきあい 作家・桜花学園大学教授)
ジャングルを』               8/16(金)中日夕刊・8/19(火)東京朝刊
  (命あふれて好きな日盛り   わび太)
夾竹桃カンナひまわりポーチュラカ    中島和子
 よく咲きますよねえ。
みーんみんみーんみんみんみーんみん      直
  「東京へきて一週間一日中みんみん蝉です。名古屋 では
油蝉でしたが」――ふふ、都会も蝉に尽きる一日。

お母さんセミのマンション見つけたよ      トンボ
 幹にぞろっといることがありますね。   
母の声帽子かぶれと追ってくる       近藤富子
   (命あふれて好きな日盛り)
さびきかし冷やし素麺すする音        福田任
茹でたての枝豆とうきび召し上がれ    松山みわ
   (命あふれて好きな日盛り)
久し振り帰省中ですあの世から          誠
 どうですか、この世は。ーー昔より暑いんじゃない?
クーラーが熱い息吐くアスファルト        富子
   (命あふれて好きな日盛り)
ジャングルを抜けて敗戦告げられる     ぱぴぷ
戦死した兄より生きて五昔余         根岸保
 生きている責任感というものもある。
   (命あふれて好きな日盛り)
ピカドンにNo!というべき日本人     山田登志
残飯をあさるカラスの肥満体        木村正夫
 (やざきあい 作家・桜花学園大学教授)
『しめきりですよ』               8/9(金)中日夕刊・8/13(火)東京朝刊
  (命あふれて好きな日盛り   わび太)
風止んで二死満塁の甲子園          聖子 
 付け句宿題はもう出されましたか。
  (命あふれて好きな日盛り)
姪の子とトトロ見ている夏座敷       ときよ
 外が日盛りだから座敷は涼しそうですね。「姪の子と」なんて、私いつのまにか
年をとっちゃったんだという感じ。みんな生きてきてるんだ。この日々を。
 学生に付けてもらったら、
  (命あふれて好きな日盛り)
コンビニでかちわり氷買いこんで    なるとみや
 いまどき流行の粗いかき氷のようですよ。テニスのあとに皆でかきこむ、いや、
ぶっこむんだそうです。
 中日新聞で11年目になるこの付け句コラム、昨年秋から東京新聞にも掲載に
なってから、「よくわかりませんが、私は句に付けることが好きなようで」なんてお
便りもまじります。応募数が多くなって、掲載は激戦になっていますから、いろん
な句、思いがけない句も考えてがんばってくださいね。頭の柔軟体操!  
 付け句ははがきで〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛。紙上
匿名の方は住所本名も明記。句数制限なし。八月十一日(日)までにご投かんを。
五七五句ですよ!
(やざきあい 作家・桜花学園大学教授)
『募集・日盛り』               8/2(金)中日夕刊・8/6(火)東京朝刊
    (母さんに会ったら涙こぼれそう  蕗)
 試合前日靱帯損傷            正地伸子 
 じっと我慢をしたときもある       矢野節世
 しみとしわとが重なりあって       塚本益美

  それにしても、すでに亡き母への句が多かった今回。
 残された父ひたすらがんこ        大畑杉子
 親父とうまくやってゐるかい       川端宗一

 四人の兄妹今は二人に          塩塚恵子
 ちゃんと生きたよがんばったでしょ      芳江
 粗にして野だが卑ではないかも        利也
 しあわせですときっといいます     服部ひふみ
 茄子の馬では疲れたでしょう       瀧上英子
  各世代から付け句多数多謝。さてつぎの宿題です。
  (命あふれて好きな日盛り   わび太)
  このまさに夏の七七句に五七五句を付けてください。
  (命あふれて好きな日盛り)
 バイク音かき消す蝉の大合唱        レオナ
  地上に懸命に生きる物たち。大自然。小さな暮らし。
 今の夏、思い出の夏。文明批判も。熱い夏の恋。
 ユーモア、爆笑句もご想像を。付け句ははがきで
 〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛。
 紙上匿名の方は住所本名も明記。句数制限なし。
 八月十一日(日)までにご投かんを。五七五句ですよ!
 (やざきあい 作家・桜花学園大学教授)