地球はまわる傾きながら ひわ (2012/4/19~6/7)

前句   地球はまわる傾きながら    ひわ

「募集 」中日新聞6月7日(木)      募集
 (地球はまわる傾きながら ひわ )
あなたとの距離が縮まることもなく   ゆあな
後手後手のトップの決断横目にし   大脇正恵
 (地球はまわる傾きながら)
生別も死別も越えて卒寿なり       暉子
跳んで跳ねよさこい踊る百寿まで   川原清子

 おお、先輩がたの気合よ。
 (地球はまわる傾きながら)
夏の朝光とともに蝉の声       一瀬拓也
地球の仲間たちの物語、いかがでしたか。多数ご投句多謝。さて、つぎの宿題ですよー。 
 こわいもの知らずで生きてゆくこの世 霧男
この五七五句に七七句を付けてみませんか。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
母のビキニにどっとのけぞる       葵
 元気に夏に向かいたいですね。付け句はご自分の経験でも、ひとさまのことでも、たくましい想像でも。ちとこわい時事句も付きそう。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
小さな門に揺れる紫陽花         藍
日々ささやかに守る暮しも句にして。六月七月の自然も。付け句ははがきで〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛て。住所、電話番号、ペンネームの方も本名を必ず。六月十六日(土)までにご投函を。七七句ですよー。
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「せせらぎに 」中日新聞5月31日(木)      発表5
 (地球はまわる傾きながら ひわ )
せせらぎに山葵の花と鳥の声     近藤富子
 山あいの谷にも涼しい夏がきて。
 (地球はまわる傾きながら)
薫風に誘われ賑やかビアガーデン    やすを
つまもうか彼女の肩の長い髪     石田吉保
怒られるよー!バシッ!
 (地球はまわる傾きながら)
もうだめと可盃で酌み交わす        暁
深酒で手すりつかめず座り込む    田端義明
 「地、地球のせいだ」
 (地球はまわる傾きながら)
プレートがギシッとゆがむ背のびかな   赤丸
 怖! 地球さん肩が凝ってもがまんして。
 (地球はまわる傾きながら)
今ここに私は真っ直ぐ立っている   升沢彩花
ほんとは不思議なことなのだ。
小象とて小さな台で芸をする     かよねこ
 おっとっとっと。
Tシャツの胸に抱かれるこの角度    ぐー
 「これでいいかしら」なぜか意識しちゃって。
 (地球はまわる傾きながら)
わたしにも蝶々の羽をくださいな    金トト
 「脳出血で半身不随です。蝶々のようなひらひらでよいから
そのあたりを飛んで散歩したい」 
 (地球はまわる傾きながら)
飽食と飢餓の格差を憂いつつ     エンゼル
 (やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「蒼い星 」中日新聞5月24日(木)      発表4
 (地球はまわる傾きながら    ひわ )
窓ぎわの緑あざやか小雨降る    福井さき子
西側のトマトの苗も肥りけり      由美江

 まっすぐに夏。地球の乗り心地いかがですか。
 (地球はまわる傾きながら)
低く飛ぶ燕追いかけ踏むペダル     ちょい
目が合った小さな恋を見つけたよ    やっこ
かろやかに時は流れて。
着信の点滅窓の外に虹         モニカ
 世界は美しい!
 (地球はまわる傾きながら)
気がつけば朝のおはよう五十年      ちか
 え、もうこんなに過ぎた?
それ昨日言った言わぬの痴話げんか    佳代
主導権いつのまにやら妻の手に       K
 それでいいのだあ。
 (地球はまわる傾きながら)
五年生うさぎの飼育委員だよ     伊藤紘美
子の夢は大きな空のパイロット    塚本益美
あしたに歩むこどもたち。。
 (地球はまわる傾きながら)
ケータイで線量計測する時代      みゆき
そんな日々にしてはいけない!
 (地球はまわる傾きながら)
蒼い星宇宙の端の浮遊都市      川崎千春
ここにいる私はここで生きている      笑
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「二の腕の 」中日新聞5月17日(木)      発表3
(地球はまわる傾きながら     ひわ)
朝光る苺を摘んでヨーグルト       リラ
頂いた筍づくし晩ごはん        とよこ
 地の恵みのかがやくころですね。
(地球はまわる傾きながら)
青竹は太陽めざしまっしぐら    竹村日出子
 掘られなかった筍くんはぐんぐん伸びて変身。
(地球はまわる傾きながら)
ダイエット間に合わなくて衣替え     村良
 寒いような暑いような異常気象だけれど。
二の腕の白き重さをもてあます     ひろみ
 ほっと溜息。ああ、夏の女ですね。
(地球はまわる傾きながら)
まだ逢えぬ私のかたわれどこにいる  ぷらとん
 いつかきっと!
君笑う幸せな刻さあ止まれ      國分将大
(地球はまわる傾きながら)
語り部に質問ぜめの三年生       美津子
「小学校で六年生に名古屋大空襲、三年生に昔の
暮らしの話をしてきました」やがて原発のことも語り継がねば。
(地球はまわる傾きながら)
震災で流れたボールアラスカへ   かぐやひめ
 5千キロの波路でつながっているお隣さん。
(地球はまわる傾きながら)
敷石に子午線印す礼拝堂        泰枝
 (やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「ゼロの夏 」中日新聞5月10日(木)      発表2
(地球はまわる傾きながら     ひわ)
朝日さす窓辺で淹れるダージリン     更紗
 いい季節になりました。
目覚ましをしかけ忘れて遅刻する   松尾場所
 わお、走れえ!
(地球はまわる傾きながら)
島国の原発止まるこどもの日    木蓮ちゃん
 泊3号機が五月五日に定期検査入り,二十三時三分に発電停止と。
脱原発の第一歩。歴史に刻まれるこどもの日になりますね。
(地球はまわる傾きながら)
玄関に孫の小さな赤い靴        浅やん
乗り切ってみせるさ原発ゼロの夏   うさみん
(地球はまわる傾きながら)
君想うきょうもきのうもあさっても  三島園子
 それは地球がまわるから。
うっかりが重なり君と知り合って    眠り猫
 それは地球が傾いてるから?
告白はマーガレットを束にして    ハッピー
花言葉は「真実の愛」だそうです。しっかり受け止めて!
(地球はまわる傾きながら)
僕と君出会いの場所をありがとう   伊藤愛咲
 生きとし生けるものからの感謝。
(地球はまわる傾きながら)
夏の空流れて爆ぜる日の光    大島勇稀

 (やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「金環食 」中日新聞5月3日(木)      発表1
 (地球はまわる傾きながら     ひわ)
雑踏に呼べば日傘が振り返り       沙織
 たちまちまぶしい夏がきましたね。連休はいかがお過ごしですか。
豌豆の白い花かげ実もついて        麗
 畑も夏。
メダカ鉢のぞきこんでるよその猫    たんき
 コラコラ。
 (地球はまわる傾きながら)
どうであれハローワークへ今日も行く 羽下正一
 生きねば。
ジム通いウオークマシンきしむ音   こまいぬ
 (地球はまわる傾きながら)
あの人に惹かれる心とまらない      千秋
 これも万有引力のせいで。
プロポーズ貴女に贈る金環食   みの虫アッパ
 おお! 21日ですね。晴れますように
 (地球はまわる傾きながら)
がに股はじいちゃん父ちゃんそして俺   侘助
 DNAは確かに伝わってきているらしい。
 (地球はまわる傾きながら)
若葉寒不安だらけの再稼働      山本尚子
 私たちが作ってしまった原発をとにかく止めよう。後の世代への重い責任。 
 (地球はまわる傾きながら)
愚痴一ついわずに人のエゴ背負い   影山武夫
 (やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「しめきりですよ 」中日新聞4月26日(木)      締切
 宿題はもう出されましたか。
 (地球はまわる傾きながら     ひわ)
ストーブをやっと仕舞って散る桜   服部哲也
寒くて遅かった今年も桜はやはり咲きました。この国に季節がうつりゆくのも、地球が傾いているからなんですね。発表は五月いっぱいですから初夏の付け句をくださいね。鳥、魚、花、虫など、地上の生きとし生けるものも登場させて。
 (地球はまわる傾きながら)
フィレンツエの田舎にありて白く建つ    風
 オシャレでしょう。旅をなさる皆さん、世界各
地、印象に残る旅の風景もぜひ。
 (地球はまわる傾きながら)
しゃべれればオレにも言いたい事がある あづさ
この際地球さんのかずかずの思いを代弁してあげましょう。人類の罪状告発かな。もしかして大笑いでも。
 (地球はまわる傾きながら)
かあちゃんの味噌汁辛いが黙ってる    信太    
ハハ。何をしても地球はまわりますから、のびのびとふだんの暮らしや、物語を。想像を飛翔させて、もちろん恋句、SF句なども。付け句ははがきで〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛て。住所、電話番号、ペンネームの方は本名も必ず書いて。四月二十八日(土)までにご投函ください。五七五句ですよー。
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「募集 」中日新聞4月19日(木)      募集
 (さまざまの事おもひ出す桜かな  芭蕉)
告知を受けて五年目の春          恵
入社翌日父の告別          田渕義明
 (さまざまの事おもひ出す桜かな)
登りくだりの人生峠        伊藤シヅ子
花便りきく老いのひとり居        暉子
元気でいるよ卒寿の春に        千代女
 今回は人生大先輩の句多数。我らも人生峠エッサカ越えてまいりましょ。さて次の宿題です。
  地球はまわる傾きながら    ひわ
 この七七句に五七五句を付けてみませんか。
 (地球はまわる傾きながら)
僕の部屋マンガの山に陽があたり     芙美
 まわる地球の上で生きている今そのものを。ド
ラマもよし。平凡な日々刻々にも目をとめて。
 (地球はまわる傾きながら)
いま飛んだカケラ衛星かミサイルか   MAX
地球の身になって、地球の目線の句なども。
 (地球はまわる傾きながら)
新緑にまつげの翳る君とキス        藍
恋、初夏の風景も。いとしい生物たちもぜひ。この前句は宇宙、万物何でも付きそうですね。お笑い句も。付け句ははがきで〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛て。住所、電話番号、ペンネームの方は本名も必ず。四月二十八日(土)までにご投函を。五七五句ですよー。
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)