こわいもの知らずで生きてゆくこの世 霧男 (2012/6/7~7/26)

前句   こわいもの知らずで生きてゆくこの世 霧男

「募集 」中日新聞7月26日(木)      募集
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
とっくに越えた平均寿命         蛙柳 
喜寿を迎えてナナハン取得    近藤富江
負けない面々。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
稲田の泥ではしゃぐ瓜坊         ネル
セシウムまといイカロスは飛ぶ     たんき
 厳しい世をエイと生きてゆく私たち。多数御投句ありがとうございました。さて、つぎの宿題。
  真っ白な雲暑くなりそう     ゆき
この七七句に五七五句を付けてみませんか。
 (真っ白な雲暑くなりそう)
腕まくりビアガーデンの支配人     葵
 さあ、この夏を元気にのりきりましょう。あなたの食う寝る住むための暑さ対策は? 付け句はご自分のことでも他人さまのことでも。浮世のさまざまを自由に想像して、二句で場面を作ってください。SF、時代ものでも。
 (真っ白な雲暑くなりそう)
助手席の組んだ素足がまぶしすぎ   藍
 恋句も。夏の自然も。発表は八月いっぱい。オリンピック、お盆、敗戦日、そして切迫の時事句も素材にして。付け句ははがきで〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛て。住所、電話番号、ペンネームの方も本名を必ず。八月四日(土)までにご投函を。五七五句ですよー。
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「ライスシャワー 」中日新聞7月19日(木)      発表5
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世 霧男)
もつれ合いつつ揚羽飛び去る       子逸
雨あがりのまぶしい日射し。さあ夏本番。
打ち寄せる波遊ぶやどかり        芙蓉
さまざまの青見せる海原         葉水
 こんなにも無心に。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
はいはいのままクッションを越え    ミモザ
のばせばいつでも母の手があり      流星
「先月出産しました。とにかく懸命に生きているわが子。
なんとまっすぐな生命力!」
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
ライスシャワーと教会の鐘      くゆたん
 あの日。あの空。
よくぞ続いた旦那と私    拓郎命
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
将来年金額さていくら?       トッケビ
「私50歳始め」15年後の財政はどうなっているのでしょう。
終の住み家にあり金はたき      恵美ばあ
 まあ、まあ、お茶でも一杯。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
活断層の上に原発          木村正夫
年々積もる原発のゴミ        中山康博
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
なにはともあれ猫に餌やる       まりん
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「流れに任せ 」中日新聞7月12日(木)      発表4
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世 霧男)
雨と思えば雹のばらばら        あさこ   
 油断のならない近年の天変。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
心変わりは梅雨のせいかも      えこりん
いやいや乾く梅雨のジーンズ       節子
 ストレス気味の梅雨ももうすぐおわり。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
ぱっちりぱちぱ五十でつけま      あけみ
 つけまつげを省略語で言うところが「若いあたし」なのよ。
冥途の土産にピアスのデビュー     ばアば
 「私こと後期高齢者の仲間入り。記念に憧れていたピアスをしました」
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
防犯カメラ気にしない日々        泰枝
サイバー攻撃このスマホにも      ゆたか
 日に日に身辺に出現する新しいモノ、モノ。
流れに任せ走る高速            暁
 任せてることの怖さ。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
食糧自給減らし続けて         草笛奏
自給率が40%を切ったとか。
ご先祖様も怒っておられる      みきっぺ
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
ちょっとブレーキかける梅雨時      良巳
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「合歓の花 」中日新聞7月5日(木)      発表3
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世 霧男)
胡瓜も茄子もふとる雨降り        蔵三
抜いた翌日また生える草       ウッチー
梅雨なかば、わが列島の緑よ、生命力よ。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
蚊でございます血をくださいな     たま坊
ブーン。来たか。『枕草子』の「にくきもの」に「蚊の細声にわびしげに
名のりて顔のほどに飛びありく」とありますね。バチン!
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
薬は飲んだ食うぞカツレツ      近藤スズ
 抗コレステロール薬とか。九十歳。オーレー!
自己責任で食うレバー刺し         洋
 こちらはついにストップですね。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
消費増税すわ再稼働         エンゼル
党利党略自己正当化   浅木夢美志
国民みんなが選んだ政府      山口孝子
 深いため息―。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
合コンいつも惨敗ばかり         洋一
一か八かでするプロポーズ       あずき
 神様!
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
一日終わりワインを少し        とよこ
合歓の花ゆれ淡い夢見る       眠り猫
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「見果てぬ夢 」中日新聞6月28日(木)      発表2
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世 霧男)
ぶらんこのそば匂うくちなし     井口洋子
ほてい葵に卵産み付け        伊藤千敏
メダカかな。ひっそりと生の営み。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
事故に学ばず再稼働する         獅狼
 何という!
超無防備な腹出しの犬        ロッシー
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
あれくらいならおれもそうりに     むゆう
にやりと笑うボスは壊し屋       古事郎
どこへ付くか。あっち、こっち、あ、そっち。
魑魅魍魎のほくそえむムラ       ひろみ
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
アラサーもあと一年半です       三十路
 「シワのないうちに嫁にいけるといいねーと母に
言われました。来年はアラフォーの仲間入り」
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
カード払いで気軽にサイン      おっかあ
 任せとけって。
グルメ番組ばかりのテレビ     コーチャン
 ここは先進国でございます。。
フェイスブックに今日もログイン  アメリ
スカイツリーの青き輝き         らん
 より高く、一番高く!。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
見果てぬ夢を試食する獏        みゆき
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「坊やご飯よ 」中日新聞6月21日(木)      発表1
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世 霧男)
天気予報に笹百合ニュース        田螺
梅雨ですね。優しい花の便りも。
かたつむりさん孫に捕まる       ゆすら
 大丈夫。逃がしてあげるから。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
泣き声競う新生児室         みどりん
やっとスキップできた3才        ぐー
 フレーフレー!
そこのけそこのけ走るママチャリ     侘助
 「子どもふたりと荷物をのせて。ひたすらでしたっけ」
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
海だ砂浜レッツバーベキュー     たっきー
ファーストキスはすいかの匂い    空木アヅ
 若さじゃ。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
へび柄パンツでのしあるく女       美穂
何が八十路と今日も紅ひく       楽天家
 女じゃあ。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
大飯原発再稼働GO         仲川昌一
 こわいもの知らずの最たる首相登場。悪い夢のような私たちの現実。さあ、どうする?
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
核のお手玉坊やご飯よ         タヌ公 
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「しめきりですよ 」中日新聞6月14日(木)      締切
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世 霧男)
タンクトップの焼けた二の腕      あづさ
安全ですとまた国がいう          藍
 宿題はもう出されましたか。 いつもお題の前句は、
現代連句作品や古典俳諧の中から探します。
今回は私のホームページホームページの鎖連句から。
92314  悪魔のシッポ引っ張ってみる 美句志
92315 こわいもの知らずで生きてゆくこの世 霧男
92316 のぼりつめたら割れる風船    氷心
こうして次々に前の句に付けてつなぐんですよ。
この三人の作者さんが関東、四国、九州とあちこちからの
接続なのもインターネットならでは。
 あ、付け句はがきの第一便が飛来です。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
増える白髪と減る給料と        ちひろ
 それがなにさ。
いつか当てるぜ三億円を         嘉男
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
失恋短歌ばかり上達        横山美枝子
 めげずにまいりましょ。付け句ははがきで
〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛て。
住所、電話番号、ペンネームの方も本名を必ず書いて。
六月十六日(土)までにご投函ください。七七句ですよー。
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「募集 」中日新聞6月7日(木)      募集
 (地球はまわる傾きながら ひわ )
あなたとの距離が縮まることもなく   ゆあな
後手後手のトップの決断横目にし   大脇正恵
 (地球はまわる傾きながら)
生別も死別も越えて卒寿なり       暉子
跳んで跳ねよさこい踊る百寿まで   川原清子

 おお、先輩がたの気合よ。
 (地球はまわる傾きながら)
夏の朝光とともに蝉の声       一瀬拓也
地球の仲間たちの物語、いかがでしたか。多数ご投句多謝。さて、つぎの宿題ですよー。 
 こわいもの知らずで生きてゆくこの世 霧男
この五七五句に七七句を付けてみませんか。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
母のビキニにどっとのけぞる       葵
 元気に夏に向かいたいですね。付け句はご自分の経験でも、ひとさまのことでも、たくましい想像でも。ちとこわい時事句も付きそう。
 (こわいもの知らずで生きてゆくこの世)
小さな門に揺れる紫陽花         藍
日々ささやかに守る暮しも句にして。六月七月の自然も。付け句ははがきで〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛て。住所、電話番号、ペンネームの方も本名を必ず。六月十六日(土)までにご投函を。七七句ですよー。
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)