砂浜の足跡どこへ続いてく ドリー (2013/8/8~9/19)

前句   砂浜の足跡どこへ続いてく   ドリー

「募集 」中日新聞9月19日(木)      募集
 (砂浜の足跡どこへ続いてく ドリー)
?瑰の咲く父母の墓まで       加藤晃弘
浜木綿の咲く丘に三日月      福岡登美子
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
別れた夜も星はきらめき        眠り猫
翡翠色した闇に抱かれて         ひわ
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
行合の空君に会いたい        近藤富子
 砂浜の句はロマンチックな句がたくさん。いかがでしたか。発表できなかった多数の佳句を惜しみつつ、さて、次回の宿題ですよー。
  知り合ってからたった10分     けい
この七七句に五七五句を付けてみませんか。
 (知り合ってからたった10分)
手にもったアイスクリームが溶けていく やっこ
 さて何が始まったのか。ここはどこ、どんな状況か、あなたの想像を句にしてください。
 (知り合ってからたった10分)
横顔がさびしげパブのカウンター     克人
 人生のひとこまを作りましょ。ドラマはどう展開するか。主人公もご自由に設定して。時事句、大笑い句歓迎。発表は十月いっぱいなので、深まる秋の句もどうぞ。
付け句ははがきで〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛て。住所、電話番号、ペンネームの方も本名を必ず。九月二十九日(日)までにご投函を。五七五句ですよー。
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「赤とんぼ 」中日新聞9月12日(木)      発表4
 (砂浜の足跡どこへ続いてく ドリー)
干した水着に赤トンボ来る      えこりん
そうめんつゆに氷を三個      なずな主婦
 ああ。ほんとに秋ですね。
船を追ってる漁港のカモメ       たんき
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
両手いっぱい白い貝殻         由美江
恋の破片が落ちていないか       やすを
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
ついのすみかの五十七階          玲
 「子どものころは、こんな所に住むとは思わなかったです」
スクランブルと満員電車        りつこ
遠くかすかに見える街の灯       草笛奏
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
ヒロシマナガサキ嘆きのフクシマ     節子
 「原爆原発連なっていく気がしてなりません」 
政官財の尽きぬ言い訳      みの虫アッパ
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
岬の学校女ご先生           泰枝
 「二十四の瞳」の出征し帰らぬ教え子たち。
ミヅクカバネとクサムスカバネ     みゆき
 『万葉集』の長歌の一節からとられ、軍歌として歌われた歌詞のなんとリアルなこと。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
君は知ってる猿の惑星           武
SF映画が憂う人類の未来。
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「自分史訂正 」中日新聞9月05日(木)      発表3
 (砂浜の足跡どこへ続いてく ドリー)
氷小豆の旗にひかれて         とみこ
宇治金にする?マンゴーにする?   あんでん
 炎暑もう一息ですね。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
夏のドリルがあと三科目       お茶づけ
人魚の姫は砂の彫刻          ちひろ
 「中学生のとき木曽川の河川敷で砂彫刻大会。私のクラスは人魚姫で優勝したんですよ!」
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
夜更けのタクシーお疲れの父      たかの
見積もり出せとメール着信       データ
 「休日でもこのごろケイタイに仕事が追いかけてきます」通信が便利になったせいで、休めなくなった現代人。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
かけ声ばかりで上がらぬ給料    かぐやひめ
 「上がったひと手をあげて!」
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
九十九となりたる君と腕組み     近藤スズ
スズさん九十歳。夢カップルですね。
ふたりを包む祭りの火花        ふさ子
耳にこだますガムランの音       ゆたか
 あれもこれも思い出となり。
ほんのちょっぴり自分史訂正       嘉男
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
白いサンダル恋は終章         ひろみ
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「神話リニューアル 」中日新聞8月29日(木)      発表2
 (砂浜の足跡どこへ続いてく ドリー)
そろり岩陰のぞくヤドカリ      伊藤千敏
宝捜しだ漂着のゴミ           洋一

 まだまだ遊びたい夏だけど。。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
片方だけのピアスさがして        ちか
 「落として半ベソ! でした」
眉毛が消えてドン引きの彼       三十路
 キャ。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)    
満ち潮が消す苦い思い出        かにこ
 そう。海はやさしい。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
遠泳やばい塩味バナナ        浅井惠子
 「8キロを3時間半。海パンの中に入れたバナナを途中で食べるとおいしい」のですって!「じゃまするクラゲをぶった切りつつ。女子も完泳」ともあります。た、たくましい。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
お手てを合わす曾祖父の墓       ゆきえ
盆提灯も片付けました          燈霞
 八月が終わりますねえ。。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
ガイガーカウンター右手に持って   石田吉保
見えない汚染海はきらきら      かのまん 
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
安全神話リニューアルして      エンゼル
 たった今も、着々と。 子
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「沖の暗雲 」中日新聞8月22日(木)      発表1
 (砂浜の足跡どこへ続いてく ドリー)
夜明けの島に蝉が鳴き出す        ど楽
積乱雲に呼んでみるひと         万里
 炎天の夏。お休みはいかがでしたか。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
ビーチパラソルオイルを塗って      めぐ
ビキニ今でしょピチピチ熟女    福井さき子
 もう土用波ですねえ。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
思いがけなくホールインラブ     ハッピー
 キャッホ。おめでとう。
キス釣る彼と絵を描く私       ウッチー
 晩は天麩羅にしよ。
夕陽に染まるリゾートホテル     木村正夫
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
いついつまでも二人三脚        ダチ公
右と左に別れて行った       竹村日出子
 それもこれも運命。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
挙手して去りし君海底に       奥田庸子
 八十七歳。あの日のことを語らねば。
軍靴ひたひた空耳なりや       山田登志
うっかり本音出した失言        さわだ
 「あの手口学んだらどうかね」なんて、まるで悪党の囁き。後から撤回しても忘れないよ。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
沖の暗雲スコールがくる         K点     
 (やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「しめきりですよ 」中日新聞8月15日(木)      締切
(砂浜の足跡どこへ続いてく ドリー)
波間に見える白い帆船          よね
暑いですね。付け句宿題は出されましたか。
(砂浜の足跡どこへ続いてく)
生まれたばかり亀の冒険        コロン
 のびのび想像を。旅さきや思い出の風景も。
 ところで、先日ネットで妖怪変化詠み込み百句
をしましたよ。少しご紹介。表むきは普通の連句
としてつながっていますが、各句に妖怪等の名を
隠しているのでじっと見てください。『古今和歌
集』にも出てくる「物の名」という言葉遊びです。
(HP「矢崎藍の連句わーるど」より)
89 活発に本質喝破活版に  ザリ(河童×3)
90  勇気凛々相手大物     天球(麒麟)
91 数寄屋ふう沈丁花さく垣根沿い  彗(風神)
92  還俗尼の酌で一献     麦(天の邪鬼)
93 夢やもし苦み走ったいい男   藍(死神)
 作者は全国各地から。即興の早付け競争は深夜
に始まり翌々日に百句満尾しましたーーハア。 
さて、皆さんも付け句遊びで脳の体操を。
(砂浜の足跡どこへ続いてく)
獲物ひきずる北京原人           藍
ハハ。時事句、恋句もぜひ。付け句ははがきで
〒460-8511中日新聞文化部「付けてみま
せんか」係宛て。住所、電話番号、ペンネームの
方も本名を必ず。八月十八日(日)までにご投函を。
七七句ですよー。
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「募集 」中日新聞8月8日(木)      募集
 (夕暮れの駅が吐き出す人の波  みき)
妻が出迎えキッス・アンド・ライド  石田吉保
回り道して回転寿司へ        小林きね

 (夕暮れの駅が吐き出す人の波)
フラッシュバック3,11      やっと亀
元気つけたら明日はフクシマ     タイタイ
 夕暮れの駅には今の世のさまざまな人生が歩んでいましたね。まだ手元に佳句を残して発表はここまで。さて、つぎの宿題です。
  砂浜の足跡どこへ続いてく   ドリー
 この五七五句に七七句を付けてみませんか。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
片方残るビーチサンダル          合
 夏の思い出を。ロマンチックな恋句もよし。もちろん自由に想像してドラマ作りもどうぞ。
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
バーベキューしよ女子は肉食     しゅぴZ
 観察でも。連句は人間と自然のウオッチングです。海や湖の生物も参加させて。 
 (砂浜の足跡どこへ続いてく)
さるすべり咲く村の廃屋          藍
季節は盛夏から、秋のおとずれまで。八月は終戦を思う月。過去現在、未来の時事句もぜひ。
付け句ははがきで〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛て。住所、電話番号、ペンネームの方も本名を必ず。八月十八日(日)までにご投函を。七七句ですよー。
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)