もう息もできぬくらいに散る桜 みのり (2009/2/26~4/16)

前句   もう息もできぬくらいに散る桜 みのり

「募集」中日新聞4月16日(木)      募集
 (もう息もできぬくらいに散る桜 みのり)
少子化ゆえにこわす学び舎       ひろみ
夕陽背負いて車椅子行く      鈴木キヨ子
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
老いの夢路は母に抱かれ        ふさ子
雲はほっかり鮎遡上せり       近藤富子
 (もう息もできぬくらいに散る桜 )
父は旅立つ亡き母のもと         ゆみ
一人残して夫は旅立ち        鈴木喜子
 急逝したかたへの思いの句も目立った今回。変転の世を語り合いつつ共に生きましょう。付け句多数多謝。ご紹介しきれぬ佳句も多数手元に残して、さてつぎの宿題ですよー!
  ぷるぷると震えて止まる洗濯機   あづさ
 この五七五句に七七句を付けてくださいな。
 (ぷるぷると震えて止まる洗濯機)
しっぽくねらせ猫のご帰館        聖子
どうぞ日常のひとこまを。洗濯機を見つつ何思ってるのかな。もちろんご自分のことだけでなく、想像で人間ドラマも作って。エヘ恋句ぜひぜひ。
 (ぷるぷると震えて止まる洗濯機)
イチローだって胃潰瘍になる      藍
時事句、大笑い句も工夫して。五月発表なので初夏の風景句も。付け句は葉書で〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛。句数制限なし。住所、電話番号、ペンネーム(なるべく5字以内で)の方は本名も必ず。四月二十五日(土)までにご投かんを。七七句ですよー!
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「若き女形の」中日新聞4月9日(木)      発表5
 (もう息もできぬくらいに散る桜 みのり)
チビの笑顔はランドセル越し       佳代

 「いってらっしゃーい」手を振って春。
娘入学息子入園            のんぷ
「二度の産休をのりこえ仕事を続けています」
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
今朝予備校の手続き済ます        更紗
 イエイ、こっちも出発だい!
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
新入社員登る階段            琢郎 
 今年はことに緊張の一段一段。
お局退職私の天下            次席
辞めたくないが本音のわたし     仲川昌一
 あっちの党首もこっちの党首も。党利党略じゃなく、
いま政治をしてくれっての。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
世界を覆う赤字の津波         眠り猫
預金通帳引き算ばかり     シルバーキング
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
若き女形の艶なまなざし      守
芝居大詰め柝が入るまで       折目惠子
 客席にも降る花びら。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
乗り越えてきた悲しみの数       浅やん
生きていこうと決めた坂道        茶子
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
春はあまねく輪廻の息吹       山田登志
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「君の部屋」中日新聞4月2日(木)      発表4
 (もう息もできぬくらいに散る桜 みのり)
たこ焼きイカ焼きマイクひっぱり     泰介
花弁とビール一気飲み干す      田渕義明
 憂き世を忘れひとときの歓。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
からめた小指淡き約束          哉子
キスを邪魔する花びらのバカ     石田吉保
 う。みんなが見てるよ。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
初めて君の部屋を訪いし日      加藤晃弘
プロポーズからまた始めよう     三島園子
 「夫とふたりだけの日が目前。二十年前の桜の日に結婚。
あの頃の気持に戻れたらいいな」と。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
君は彼岸で盃を持て!        たんき
「昨日同期生の訃報」―無常迅速の世。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
余命二年の宣告をこえ           誠
「医師の宣告を受けて五年めの春です。
毎年が最期の桜の思いでした。今年もがんばります」
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
八十年前ぼくは生まれた         頓児
 すべての始まり。
人生という主役演じて        かよねこ
 ここまで歩いてきた。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
いのちの果ての木の芽田楽        恵紅
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「わたしはわたし」中日新聞3月26日(木)      発表3
(もう息もできぬくらいに散る桜 みのり)
西から東桃色旋風           おくみ
さあ、桜前線が動きだしましたよー。
(もう息もできぬくらいに散る桜)
太巻ずしは母のお手製         ゆり子
大福団子緑茶饅頭          大福の母
ご馳走もって、出かけよう。
(もう息もできぬくらいに散る桜)
日本経済総花見酒            珍瓦
 これってヤケ酒でしょうが。
隣吟醸こちら発泡            元廣
 む。自由市場経済暴走による格差だっ! 
(もう息もできぬくらいに散る桜)
異動の内示受けし夕暮れ         香珠
同僚離散最後の花見         羽下正一
 別れはつきものの春だけれど今年は多すぎ。
(もう息もできぬくらいに散る桜)
本気でしたと過去形になり       みゆき
まだアラ還と再会を期す      かぐやひめ
 アラウンド還暦ですって。人生これからっ!
(もう息もできぬくらいに散る桜)
二人で聴いてるビバルディの春     ふきよ
鍵盤走る黄金の指          ハッピー
 ただうっとりと。
春に染まってわたしはわたし     位田仁美
(もう息もできぬくらいに散る桜)
コギト・エルゴ・スム春惜しむなり   あずき
「我思うゆえに我あり」です。
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「そばにいるだけ」中日新聞3月19日(木)      発表2
 (もう息もできぬくらいに散る桜 みのり)
ヤバイ忘れた眼鏡とマスク      矢口日美
キスもできない花粉対策       タイタイ
 待って待って! ファックショーン 
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
喘ぎあえぎのキスあれは夢?      遊節子
きっと夢だわやっぱり夢ね       のり子
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
源氏の君に抱かれてる闇        尼ぞん           
ひきよせられて遠き潮騒          慶
 みなさん、浸ってらっしゃいますね。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
ぼくの背中に爪がくいこむ      ザビエル
 たぶん猫じゃないと思います。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
底値つき抜け下落の株価      なずな主婦
じたばたするな今がどん底       ゼロ子
 ああ、思いっきり現実!
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
ハローワークの庭でお握り      しくしく
 「2個食った。一日命をつなぐ」
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
夫婦そろって傘寿と喜寿に      宮脇正仁
五十半ばで婚姻届け         近藤スズ
ようやく見つけた相棒。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
何もいわないそばにいるだけ     塚本益美
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「銀の手鏡」中日新聞3月12日(木)      発表1
 (もう息もできぬくらいに散る桜 みのり)
会えたよ会えたバスケの彼に       モコ
はじめて人を好きになった日     十五の月
 さあ、若い心がはねている春!
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
今でも好きって告っちゃおうか    ままりん
 「告る」って告白ですよ。若者言葉だったそうですが、たちまち
年配のワカモノにも流通。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
はよ出せはよくれ定額給付        旦喜
定額給付で落ちる支持率        後高爺
 もともと首相の金じゃなく国民の金だもの。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
当の総理は自信満々         山本尚子
マイク離さぬ友にうんざり       奥村晋
 けっこう我慢強い私たち。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
みずほあさかぜ銀河はやぶさ    鉄子の部屋
「さくら号もすでに廃止され、3月13日で東京発ブルートレイン全面
廃止はさみしいです」成長の時代を生き残り、星空を走ってきた浪漫の終焉。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
腰をのばして孫を見上げる      小松國枝
 永い年月がたったのでした。
ご近所さんもお年を召して      伊藤紘美
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
小悪魔ひそむ銀の手鏡         あおい
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)
「しめきりですよ」中日新聞3月5日(木)
 (もう息もできぬくらいに散る桜 みのり)
大臣の座もすべる酔眼         ジロー 
付け句宿題はお出しになりましたか。
 みのりさんの前句は、インターネットの掲示板上で十年も続いている連句「KUSARI」の中の一句です。(於HP矢崎藍の連句わーるど)
長い長いこの連句は先月末に八万番をこえ、記念に詠み込みの連句をしました。一部ご紹介。
80056 四方八方幸先のよし                蕗(八宝菜)
80057 「キス・ミー」とパイプ取り上げささやいて  あづさ(ミートパイ)
80058 女心をさらうドンファン             氷心(皿うどん)
 各句の裏側に今回は「料理名」を隠していれてもらったんです。詠み込みは『古今和歌集』の中でも「物の名」として出てくる言葉遊びです。現代のネットでも、いいおとなたちがはまって、競争で一気に百句をあげてしまいました。
さて、こちらも遊びましょう。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
うそもまことも夢の一生        たつ子
シリアスでもいいし想像でもよし。
付け句は葉書で〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛。句数制限なし。住所、電話番号、ペンネーム(なるべく5字以内で)の方は本名も必ず書いて。三月七日(土)までにご投かんを。七七句ですよ!
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授
「募集」中日新聞2月26日(木)
 (予報はずれの雪がちらちら   けい)
高齢の犬はハウスに引きこもり     ジゲン
炬燵なしエアコンもなしひとり鍋  嶺澤由美子

 (予報はずれの雪がちらちら)
じゃまたねまたねの後がつづかない 寺田公仁子
つま先が炬燵の中で語り合う      遠江坊
帰るのか抱っこの重さ覚えとく     首長爺
 付け句多数多謝。辛い世相が目立つ冬でした。
さて、つぎは一気に爛漫の春にかけこみます。 
 もう息もできぬくらいに散る桜 みのり
 この五七五句をよく読んで、思い浮かべ、七七句を付けてみてください。
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
あなたは男あたしは女           藍
 花の中の恋はいかが。ご経験でも。フフ、想像でも。場面を考えて、わくわく若返りましょ。  
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
退院できるいのちふたつで       あづさ
 人生の感動の物語が付きますね。もちろんお花見風景でも。桜散る日のお弁当は? 音楽は? あたりの風景は? 時事句、大笑い句も歓迎。 
 (もう息もできぬくらいに散る桜)
稼働停止の工場の門          けんた
  付け句は葉書で〒460-8511中日新聞文化部「付けてみませんか」係宛。句数制限なし。住所、電話番号、ペンネーム(なるべく5字以内で)の方は本名も必ず書いて。三月七日(土)までにご投かんを。七七句ですから気を付けて!
(やざきあい 作家・桜花学園大学客員教授)