「ことしの三句たち」 1月1日(土) (No.95602) 幸を願わん千代のこの春 あずき 花びらに陽を包むごと福寿草 ザリ 遊びせんとやこだまする声 藍 1月3日(月) (No.95638) ファルーカ乗せてナイル滔々 風 風の色探しに旅に来たけれど ザリ 詩集一冊ポケットの中 蕗 2月3日(木) (No.96252) 林檎を齧る君の白い歯 美句志 草紅葉言葉は何て薄っぺら あずき 消去しますか保存しますか あづさ 2月8日(火) (No.96339) 国技とは言えぬ姿に成り果てて キリマンジャロ 美少女の目に星がいっぱい 麦 颯爽とリボンの騎士が現れる 兎 2月4日(金) (No.96261) マックからウインドウズにする浮気 キリマンジャロ 侮るなかれ妻の六感 ゴロ 玄関が今日はきちんとしすぎてる たつみ 3月8日(火) (No.96868) リンゴかじってパタと倒れて 天球 湾岸署捜査1課の逮捕状 のら きみの虜になって幸せ ひわ 3月11日(金) (No.96942) 地震に続いて津波押し寄せ キリマンジャロ もう一度ガスの元栓確認を ザリ 初めて握るこんなおにぎり 唯 3月12日(土) (No.96949) 夜中まで阿鼻叫喚にうなされて とけた ロザリオを繰るシスターの影 たつみ つながった携帯に言うありがとう 唯 3月23日(水) (No.97090) 氷の女王呪う生い立ち ふさ子 「めでたし」で終わる長~い物語 田中雅子 地震治まり原発も無し ばらずし 3月29日(火) (No.97146) 蕾伝える春はもうそこ 天球 ゆうべ見た悲しい夢がまだ残り 藍 自分にできる事を問ふ日々 伊都 4月4日(月) (No.97264) ネオンが招くビヤーガーデン とけた よたよたと飛行できないメタボな蚊 ザリ 小さな声でプロポーズされ 天球 |
5月10日(火) (No.97823) 湧き上がる熱い想いをキャンバスに おなすさん 才能という難を抱える タヌ公 君は鷹それとも鳶どっちかな あずき 5月28日((土) (No.98200) レコードの針磨り減っていて ばらずし アナログの世界は狭くなりにけり 和 歩道を歩く赤い雨傘 R 5月29日(日) (No.98256) 心を決めてなせる告白 ハナ 注水の中断などはしてません キリマンジャロ まだ鳴りやまぬ警報機あり 桂 8月3日(水) (No.99597) 去年聞いた蝉今年聞く蝉の声 藍 生きているから連句するんだ ザリ 大空に思いきり書く好きの文字 不用之助 9月4日(日) (No.99998) 悩んだ日々の重さ懐かし 唯 友がみな微笑んでいる花の下 氷心 紡ぐKUSARIに10万の詩 ザリ 9月8日(木) (No.100144) 月に浮んだ太陽の船 氷心 謎かけをする神獣がふりむいて 雨乞小町 信じる事こそ真実の愛 ひわ 9月21日(水) (No.100371) うたた寝の覚めてもの哀しい日暮れ 鶫 することいっぱい後期高齢 ばらずし ランチして脱原発のデモに行く 蕗 10月6日(木) (No.100612) 愛のかけらも光失くして ひわ ニュートリノ誰とも衝突したくない あづさ ニコヤカ仮面つけて一日 唯 11月26日(土) (No.101454) 追い風吹かぬ巨大帆船 カンちゃん 海図なき旅をみちびく星ありて いずみ 淋しい吾が貰う冬バラ かよねこ 12月21日(水) (No.101903) ダルビッシュ深呼吸して第一球 ふさ子 カレーライスかライスカレーか 伊都 炎昼のインドでわしも考えた 誠 12月13日(火) (No.101762) 挨拶文に馴れぬ病名 天球 出くわした幸も不幸も受けてたつ ちいばば 漂流の果て見えた島影 天球 平成二十三年一月一日~十二月三十一日 (No.95602ー 102101より抜粋) 於 HP矢崎藍の連句わーるど |