平成19年『連句年鑑』(連句協会 発行)掲載 WEBめぎつね座

  KUSARI 『たのしい三句集』
    一月一日(日)                (No.51655)
旅衣しつけし糸をほどくらん            小晴
 一期一会の心豊かに               ザリ
恵まれて友と学びし戦後なる        ちいばば
    二月十五日(水)            (No.53062)
 涼しき影をおとす八つ橋            たすけ
あの恋もこの恋もみな忘れはて           藍
 貝殻骨に刻まれた傷                暢
    二月十七日(金)            (No.53131)
細やかなネイルアートがお気に入り         桂
 ふと熱をもつメール打つ指            ひわ
ここからは恋これまでは愛という       不用之助
   三月十六日(木)           (No.53856)
荒れ狂う海の色したタイ結ぶ             暢
 近くて遠い半島の国               あづさ
まだ熱が38度で動けない             氷心
   五月十九日(金)            (No.55572)
 ロボットの目に君が一〇〇コマ         ふさ子
好きだよと言えばエコーが次々と           蕗
 水辺に咲いた水仙の花           カンちゃん 
  七月八日(土)            (No.57353)
アンデスの険しい谷に羽広げ        わび太
 ケーナは歌う千年のなぞ             風
ハンプティ卵は元にもどらない          のら
   七月十一日(火)           (No.57430)
 大統領に誕生日来て           雨乞小町
タリバンとカスタネットとアルカイダ    ななちゃん
 真夏の夜のジャズのセッション        道草
   八月四日(金)            (No.58114)
 ミミズが開く作戦会議              ザリ
葡匐する迷彩服は泥まみれ         ばらずし
 国境に咲く秋の七草             たつみ
   九月一日(金)            (No.59115)
考古学一万年後の展示室             麦
 人類という愚かなるもの               蕗
信じれば神はイワシの頭にも           彗

平成十八年一月一日より十二月三十一日
  (KUSARI 51655番~62433番)より抜粋
於・HP矢崎藍の連句わーるど総合BBS