2006年連句年鑑(連句協会)掲載 WEBめぎつね座

 KUSARI 『たのしい三句集』
        *                (No.34950)
 桜の下に埋まる屍                   風
攻め窯のまだほのぬくき春の宵         ミャーママ
 逢えばとろりと月も溶けたわ             藍
        *                (No.35296)
 オスライオンの眠ってるだけ             R
終電が冬の星座を分けて行き            柳 雪
 セロ弾きの窓叩く木枯し               晴
       *                   (No.35320)
 内緒話が聞こえないとは            不用之助
人呼んであそこは「おほほ幼稚園」         タヌ公
 とほほとほほで日が暮れてゆく          ザ リ
        *                  (No.35462)
 どうしていいの戦争をして            ザ リ
マスコミが右へ右へと泳いでく           の ら
 いびつな壜が流れ着く浜             もみじ
        *                   (No.39083)
 山毛﨔木を守る合宿打ち上げ日          たつみ
メモに書かれたメールアドレス             桂
 砂時計流れはじめた恋のつぶ           ふさ子

         *                (No.38249)
 老いらくの恋によばれた救急車            風
見つめただけで上がる血圧               兎
 中東の石油が決め手となる株価            蕗
         *                 (No.40443)
 会わなけりゃ綺麗なままの君だった        ひ わ
楼蘭の妃も胸にひとこと               タヌ公
 着メロに永き眠りは遮られ             ふさ子
         *                 (No.40682)
 懐中時計螺子を巻く人            カンちゃん
逆回り空回りあなたが遠い            あおゆき
 コスモスの野にちぎれゆく雲              彗
         *                (No.41168)
 季節外れの蛇がするりと                麦
遊歩道かさりこそりと枯葉鳴り              霞
 愛しい人が逝って三年               小 町
  
  平成十六年 一月 一日より
  十二月三十一日までから抜粋
             (於・矢崎藍の連句わーるど総合BBS)