21世紀二年目。私のホームページの長い連句も15000番を越えました。
時々刻々の人々の語り合いが句でつづられ、庶民史のようです。猛暑の昨夏―。
日傘たたんで立ち話する 藍
お互いに暑さ嘆いて右左 たつみ
地球上は一応の平和に見えましたが、問題は山積。
風はらみ靖国詣で乱か治か たつみ
足踏んだ奴決して忘れず わび太
踏んだほうはすぐ忘れてにこにこしてる。そして国家もひとりの人格のように怒り、恨む。信頼は築けるのか。
鋭い付けでした。つぎも八月半ばです。
暗き部屋コンビニ袋さえ重く 柳雪
兄に特攻誰が命じた 道草
戦争への警戒感は例年以上でしたが、直後の九月十一日に同時多発テロ事件。
ニューヨークいざよいながら月が出て 小町
チャリティCD予約受け付け 小晴
惨状に目をそむけつつ出る月はアメリカから。このとき一般個人にできる支援行為はまず募金でした。
嘉手納から飛び立つジェット戦闘機 タマ助
NY株式市場再開 蕗
これは19日。日本が世界の中で態度を決めようとするとき。日本という人格は固有の主張ができるのだろうか。
――以後日常の洗濯物を干す句、恋の句、季節のうつろいの句にまじり、
空爆、アフガン、難民の句が不穏に現実をつきつける。
さて年明け。
15060 記憶にもない雪の朝です たつみ
15061 やぁユーロ!グローバルドルと戦うの?白石
(やざきあい 作家・桜花学園大学教授)