入選 半歌仙「菫色なる」の巻 衆議判 遠き日や菫色なる夜の底 小町 並木をわたる凍解の風 小晴 縄のれん焼蛤を大皿に 鳥 母がこまめにファックスをくれ 町 学園の鳩群らがりて昼の月 晴 自画像仕上げさあ美術展 鳥 紫苑咲くフランス窓によぎる影 町 シャボンの匂う髪は乱れて 晴 何もかも捨てた恋なの結ばれず 鳥 苔むすままの崖の観音 晴 永遠を魔法のランプに閉じ込める 町 地震あちこち何の前触れ 鳥 ボランティア額の汗も拭わずに 晴 葭簀に月の忍びこむ部屋 町 譲られし結城紬も懐かしく 鳥 畦道駈ける犬はのびやか 晴 吊り橋に降り注ぎたる花吹雪 鳥 時の彼方にかかる初虹 執筆 2001年2月22日起首 5月3日満尾インターネット文音 |