第16回国民文化祭 ぐんま2001 

入選  半歌仙「菫色なる」の巻      衆議判

遠き日や菫色なる夜の底           小町
   並木をわたる凍解の風          小晴
縄のれん焼蛤を大皿に              鳥
   母がこまめにファックスをくれ        町
学園の鳩群らがりて昼の月           晴
   自画像仕上げさあ美術展         鳥
紫苑咲くフランス窓によぎる影          町
   シャボンの匂う髪は乱れて         晴
何もかも捨てた恋なの結ばれず         鳥
    苔むすままの崖の観音           晴
永遠を魔法のランプに閉じ込める        町
   地震あちこち何の前触れ          鳥
ボランティア額の汗も拭わずに          晴
   葭簀に月の忍びこむ部屋         町
譲られし結城紬も懐かしく            鳥
   畦道駈ける犬はのびやか         晴
吊り橋に降り注ぎたる花吹雪          鳥
   時の彼方にかかる初虹         執筆
2001年2月22日起首 5月3日満尾インターネット文音