1999年に始まったKUSARI連句が2016年2月20日(土) 18時27分01秒に123456に達しました。キリ番にする詠みこみ「物の名」は、今回「数字詠み込み100」です。初めての挑戦でしたが、1句に2数字以上が多く、熱戦でいつも数句がかちあい多数のドボン句。真夜中に眠ったのに計1日と4時間半。53句で仕あがり。お疲れ様でした!。
参考
◆アイデアの発端 獅子数合はせ『市兄さん』の巻
◆今回KUSARIでのルール
祝KUSARI 123456番到達記念 数字詠み込み100 PAN!。.:*:・'゚☆。.:*:・'゚★
(123455 抱きあう影をかくして霧流れ コロン )
123456 青い地球(1)に(2)見よ(34)語呂(5)合わせ 兎
123457 むつ(6)まじきKUSARI仲(7)間と大宴会 藍
123458 破竹(89)の勢い止(10)まらぬ新人 天球
123459 手術中マニュアル覗く獣医(11)なの 不用之助
123460 お重に(12)詰めた今日の昼食 コロン
123461 胃酸(13)過多意志(14)が弱くてまたおこす 鶫
123462 以後(15)よろしくと医院休診 あずき
123463 トム(16)とジェリートナカイ(17)を追うイブの夜 ゆづ
123464 曰(18)くありげな彼の誘惑 鶫
123465 塾(19)帰り仁王(20)像でとメールきて ザリ
123466 不意(21)の地震に全線不通(22) 藍
123467 兄さん(23)は西(24)に向かって祈ってる 蕗
123468 濁(25)り酒 飲む風呂(26 ) は温めに 小町
123469 旅館での着物不慣(27)れか左前 合
123470 庭(28)に草(29)花いっぱいに咲き コロン
123471 ミレー(30)の絵見入(31)るはミニ(32)のお嬢さん ひわ
123472 散々(33)待って膝がミシミシ(34) 唯
123473 登山午後(35)山麓(36)南(37)に眺めつつ 彗
123474 視界広がる爽(38)やかな風 鶫
123475 咲く(39)草はしっとり(40) シーツ(41)を敷くごとく 柳雪
123476 世に(42)読み(43)書きができない人も ザリ
123477 爺ちゃんは始終失敗(44)夜ごと(45)来て 兎
123478 余禄(46)で生きる信濃(47)の田舎 ひわ
123479 柏手(48)を打ってよろしく(49)今日もまた カンちゃん
123480 西欧(50)人と違う心情 コロン
123481 わが宿で碁石(51)指すのはいつに(52)する 彗
123482 誤算(53)でしたのご主人(54)に恋 藍
123483 言い訳は語語(55)丁寧に語呂(56)もよく 鶫
123484 いつ何時(57)もいい山(58)が見え 蕗
123485 ごっくん(59)と地軸がゆがむ重(60) 力波 兎
123486 露天風呂行く(61)炉に(62)鍋を掛け ザリ
123487 白く咲く(63)垣のさざんか羽虫(64)飛び 兎
123488 婿(65)とろくろく(66)口きかぬ嫁 藍
123489 むな(67)しきは仕事もせずに禄食(68)んで 兎
123490 ロック(69)にうつつぬかす長男 蕗
123491 慣れ(70)ないがナイ(71)トショーにも駆け付ける ひわ
123492 何(72)があったの波音(73)激し 唯
123493 梨(74)を剥く和(75)やかな顔曇らせて コロン
123494 月の庵に南無(76)観世音 あずき
123495 ピカソ提げ名無(77)し横丁質屋(78)まで 兎
123496 泣く(79)ことないよいつか晴れ(80)るよ 天球
123497 はい(81)という返事の声が初舞(82)台 合
123498 やみ(83)つきになる大臣の椅子 不用之助
123499 流れつくヤシ(84)の実の浜波寄せて あずき
123500 箱(85)入り娘刃向(86)かいはじめ ザリ
123501 思い出す花(87)の盛りは母(88)にもと タヌ公
123502 風邪を引いたらハクショん(89)大王 蕗
123503 苦渋(90)舐め八つ当たり悔い(91)国(92)帰る ザリ
123504 クミ(93)ンひと匙味を豊かに ひわ
23505 救心(94)をたより長生き落語(95)聞く ゆづ
123506 黒(96)猫屋根で啼くな(97)にゃごにゃご 藍
123507 悔や(98)んでも後の祭りのあの言葉 彗
123508 窮屈(99)な殻脱いで飛躍(100)を ザリ
2016年2月20日(土)18時27分01秒起首 同21日(日) 22時59分35秒満尾
参考
◆アイデアの発端 獅子数合はせ『市兄さん』の巻
時はさかのぼって1990年。北の怪人と名の高い北海道の俳諧師(故)窪田薫宗匠(俳諧芭蕉舎主催)の文音捌きで遊んだ「獅子」という16句形式が、たまたまのアイデアで巻かれ、めぎつねもお誘いを受けたのでした。初めての試みでぶっつけ本番でしたし形式が短かったので、50のあとは1句で100までたたき込んでいます。
参考 獅子数合はせ『市兄さん』の巻
市(1)兄(2)さん(3)花を賛して詩(4)をよめり 清水一輿(春)花
語録(5,6)を質(7)にのどか薬湯(8,9,10) 窪田薫(春)
戸一(11)枚自由に(12)ならず倒産(13)す 火箱遊歩
闘士(14)投降(15)せられたり、ああ 薫
東麓(16)の塔斜(17)めから討伐(18)隊 矢崎藍
遠く(19)て近い二重(20)間諜 薫
虹、夕陽外つ(21)国中に(22)丹珠の満つ(23) 輿(夏)
ふと呼ん(24)だ声豈ジュゴン(15)にや 藍(夏)
もののふの踏む(26)こともなし紅葉鮒(27) 薫(秋)
煮汁の鉢(28)に熟(29)す柚子味噌(30) 一輿 (秋)
再(31)三に(32)耳(33)診し(34)医師と月見ご(35)ろ 藍(秋)月
三十六(36)人皆(37)雅(38)びなり 薫
山窟(39)の褥(40)に酔い(41)し妖婦(42)待つ 遊歩
賜餐(43)しし(44)肉至極(45)腑に滲む(46) 一輿 (冬)
信濃(47)鴨食べしは(48)欲(49)の深き如(50) 薫 (冬)
無礼(60)な叔(70)母ぞ(80)糞!(90)ヒャク(100)ション藍 (冬)
1990『モーツアルトが俳諧を巻いたなら』(窪田薫)所載
◆KUSARIでのルール
今回のKUSARIのフシモノでは、上記獅子の例とちがって人数と句数が多いので、スタッフの話し合いで一応のルールを作りました。
①1句に最低ひとつ以上数字を裏にかくした言葉がはいること。KUSARIの番号が123456番に当たったかたがスタートです。100までいれた句が挙げ句ということになります
②連句はいつものままのルールで、無理せず意味のわかる句で前句にちゃんと付けること。 ③細則は問題が出たら対応しますが、
☆二桁になったらたとえば33は、さんじゅうさんーでなく、「さんさん」とか「みみ」とかでよい。 ☆「獅子」の例に出てくる 「戸一枚」「三十六歌仙」のように数字が裏でなく露出するのはどうかな。ーこれはふだんの「KUSARI物の名詠み込み」の時のルール通り×になる。 ☆歴史年号暗記で出てくる「1192つくろう鎌倉幕府」という例のように1(いち)を(い)で略してよいか。同じく5(い)6(ろ)のような省略も気になりますが、語呂合わせですでに流布していて違和感がないので今回はOKにしましょう。