![]() |
ゼミ旅行 97・京都・奈良 豊田短期大学二年生の文学ゼミ(担当T・Sこと参州めぎつね)は、宗教学大澤ゼミ・美術史菊地ゼミ(西岳)とともに恒例の京都・奈良方面へ6月11日、12日に一泊旅行に行きました。 すでに二年生は国語表現、古典文学などの講義で連句病に感染しており、たまたま卒業生も参加したこのゼミ旅行で巻いたのが下記の歌仙です ★学生連句一覧へもどる→ |
歌仙「いざ京へ」の巻 賦 豊田短期大学 卒ゼミ京都旅行
不嫌 表六句人名地名 不嫌 神祗釈教打越 捌
藍
オ | 発 句 | いざ京へ降りみ降らずみ梅雨入かな | 出 発 | 鈴木結美 | 夏 |
脇 | 短大出づる紫陽花の青 | 出 発 | 藍 | 夏 | |
第三 | 伊吹山名神高速駆けぬけて | 伊吹山 | 野口知里 | ||
4 | どんぐりころころ養老の滝 | 養 老 | 前田恵子 | 秋 | |
月 5 | 虫の声月夜に響く関ヶ原 | 関ヶ原 | 中根彩乃 | 秋 | |
6 | 醍醐の里にぬける秋風 | 醍醐寺 | 伊藤規恵 | 秋 | |
ウ | 7 | 藤戸石むかしの栄華残す影 | 醍醐寺 | 堀江加織 | |
8 | ライトアップに天女剥落 | 法界寺 | 藍 | ||
9 | 命終のまばたきひとつ白蓮華 | 法界寺 | 西岳 | ||
10 | 九十九夜の榧の数取り | 随心院 | 橋本良子 | ||
11 | ラブレター全部「ゴメンネ」の小町塚 | 随心院 | 吉野祐子 | ||
12 | ![]() |
六波羅蜜寺 | 西尾知恵 | ||
月 13 | 月冴ゆる五条通を北に折れ | 五条通 | 織 | 冬 | |
14 | ナイスミドルな大澤先生 *宗教学 |
五条通 | 里 | ||
15 | 初めての光る白色鼻パック *大澤先生がパックをやってみたって、ホント? |
雨月茶屋 | 実 | ||
16 | ボーズがムーブをとばす境内 | 三宝院 | 里 | ||
花17 | 連衆して鎖連歌の花の下 | 醍醐寺 | 藍 | 春 | |
ナ オ | 18 | うららうららと疎水流れる | 哲学の道 | 山口元子 | 春 |
19 | 下萌えの斜面の苔のやわらかに | 銀閣寺 | 代田雅絵 | 春 | |
20 | 優越感にひたる古書院 *銀閣寺の古書院に座って蕪村の襖に囲まれてる私たち! |
銀閣寺 | 上田朋美 | ||
21 | 竹林の行先はばむ黒い猫 | 大仙院 | 佐藤麻美 | ||
22 | 押売りをする尾関住職 *説明資料かと思って受け取ると代金請求されるーー! |
大仙院 | 山内美佳 | ||
23 | 国宝の縁で涼しくくつろいで | 大仙院 | 加藤政代 | 夏 | |
24 | ガラシャの夏は強く一途に | 高桐院 | 菊池奈緒 | 夏 | |
25 | 朝露にはらりとおちる沙羅双樹 | 大仙院 | 元 | 夏 | |
26 | のぞきたいのに開かずの扉 | 近衛廟 | 麻 | ||
27 | 鹿糞に見えないですかこの納豆 | 大徳寺 | 田中美貢子 | ||
28 | 合わせ鏡がまねく肌寒 *宿舎のトイレがコワイという噂ーー |
真如堂 | 朋 | 秋 | |
月 29 | 月落ちて三べんまわってハナコサン | 真如堂 | 麻 | 秋 | |
ナ ウ | 30 | 原色ばりばり襖絵の秋 *新作。驚いたよなあ。 |
銀閣寺 | 佐々木紀江 | 秋 |
31 | 二百円返しておくれ三福茶 *これも押し売り |
大仙院 | 新谷亜弓 | ||
32 | 原口先生授業あったよ | 留守番 | 長坂由美子 | ||
33 | 迷い鳥甚(いた)もすべなみ粽(ちまき)食む *注文のちまきをとりに行ったのに行きちがい。ご苦労様でした |
銀閣寺 | 実 | 夏 | |
34 | シャッターを切る音ののどかに | 銀閣寺 | 規 | 春 | |
花35 | 花ぐもり王朝人の宴のあと | 都大路 | 元 | 春 | |
挙句 | やおら煙霞の踊り念仏 *よう踊った旅であった。お疲れさま! |
帰 着 | 岳 | 春 |
平成九年
六月十一日 起首 六月二十九日 満尾