学生連句 99 ROCK 愛知県の桜花学園大学では参州めぎつねがT・Sキョージュに化けて講義をしている。ふっふっふ。「国語表現T」の講義内容は、当然付け句と連句の実作である。今年は新形式[ROCK} を試作。 ★98年度「付け句・おしゃべり連句14」作品へ |
連句(付け句)は友達どうしで言葉を工夫しあい、協力するので、言葉の表現を磨くとてもよい手段です。自分たちの今の生活、今の思いそのままを、自分たちの今の言葉で表現しよう。おもしろい自分、すてきな自分を見つけよう。自分の思いをぴったり表現できる言葉をさがそう!季語もとりこみボキャブラリーを広げよう!
読み終わったらこちらへどうぞ↓(学生付け句にもご参加くださいな!)
99年度「国語表現T」(前期選択 1年生 比較文化学科クラス・人間関係学科クラス各60人)
(1)付け句 中日新聞の付け句コラムを参考に付けてみます。「はじめてなんだからへたでいいよ!ペンネームOK」ーーと、いきなり言われて、「ええっ、マジ? もう句を作るの?」と、けっこうびっくりしていたようです。
◆77句に575句を付ける練習 (不覚にもまた恋をしそうな 聖子 ) 夢の中彼が私に手を振った H くもり空雨は降るのか降らないか T 遠い的ねらうと君とかさなるの 沙織 値札見てサイフ開いて舌打って マーボナスうどん ひさしぶり笑うあなたにクラクラよ ゆりな あの角のケーキやさんのレアチーズ めぐ オムライス自分で作れと親はいう うり 別れ際車のドアを開けるとき 太朗さん バイト先また来てほしいと祈るのみ なか 一番線待って待ってやっと来た! モンブラン 踊る君そのウインクは誰のため ユウナ ◆575句に77句を付ける練習、 (略) (130数句より) |
(2)夏の俳句 夏の季語を使って自分の生活を575で詠むーーつまり俳句を作ります。 これはあとで連句をするときの発句に使います。
ーーここまでの経過は昨年と同様ですが、今年は知識、講義を最小限にして、なるべく早く連句に突入することにしました。昨年の受講生の「連句って、やってみてはじめておもしろさがわかった!それまで不安なんですよ、先生」と言うアドバイスによります。確かに昨年よりリラックスしたようです。
(3)本番です。連句〔ROCK〕
◆4時間めの5月19日に本番。2,3人ずつのグループにわかれ、連句[ROCK}表に従って付けます。
今回はころも連句会からアドバイザ(慶子、聖子、渥子、ときよ、直子)それに先輩の卒業生たち(ひとみ、ちさと,規枝)も応援にきて、各座の質問にそのつど答えました。
◆6月1日に二回目を巻きました。
今年の形式は[ROCK}です。 六句の連句です。((まったく初心の学生が100分講義で巻き上げられます) 一花または一月(二季が基準) ◆巻き方 1 発句と脇は当座当季(今回は夏に巻いたのですべて夏始まりになっています) 2 中に2−3句は恋句をいれる。経験でも想像でもいい。 自分たちらしさを発揮しよう。自分たちのおもしろさを見つけよう。 3 花の座または月の座を5句めにいれること。(作品に古典的な美が保証される)。 4 挙句は余情をもって。(終わる感じで) 連句の常識 * 575句と77句を交互に続ける。 *前句に付ける。ウチコシ句から離れる 同じ内容、言葉を付け句、ウチコシ句にかさねない。 * 季節句にはその季節の季語をいれる。 |
◆計86巻からとりあえず20巻をご紹介します。感想を↑学生連句おしゃべりルームにいれていただければ幸せです。
1 連句[ROCK} ●「虎」の巻 イライ座
発句 | 575 | さわやかな季節が次第に夏となる | てけてん | 夏 |
脇 | 77 | 句に困ってる授業汗だく | てむてー | 夏 |
第三 | 575 | チャリンコのタイヤつぶれて五千円 | てむてー | |
4 | 77 | ぼったくんなよ高すぎるだろ | マーボうどん | |
5 | 575 | 月明かり生き残ってた蚊とバトル | 々 | 秋 |
6 | 77 | 山にはもみじ家(うち)にはオヤジ | てけてん | 秋 |
1999年5月18日首尾 於 522教室
*
2 連句[ROCK} ●「笑う猫」の巻 ネプ座
発句 | 575 | 頑張った自分へ褒美アイスかな | テリー | 夏 |
脇 | 77 | 28度の省エネクーラー | ドリー | 夏 |
第三 | 575 | 横顔を隣で見つめ赤くなる | テリー | |
4 | 77 | あれれエンストさすが中古車 | ドリー | |
月5 | 575 | 月の宿兎が経営してますよ | テリー | 秋 |
6 | 77 | 柿栗団子三兄弟も | ドリー | 秋 |
1999年5月18日首尾 於 522教室
3 連句[ROCK] ●「ひまわり」の巻 メルヘン座
発句 | 575 | ひまわりや空に向かって伸びてゆく | あい | 夏 |
脇 | 77 | 水をまいたら虹がきれいに | あゆ | 夏 |
第三 | 575 | 夢の国七色の世界さめないで | あい | |
4 | 77 | いつかあなたと淡い眠りへ | マヨ | |
月5 | 575 | 月の宿うさぎがドアをノックして | あゆ | 秋 |
6 | 77 | 扉開けたら野菊一面 | ゆみ | 秋 |
1999年5月18日首尾 於 522教室
4 連句[ROCK] ●「アレッ」の巻 くまねこ座
発句 | 575 | ビー玉に逆さに映る雲の峰 | 千景 | 夏 |
脇 | 77 | うまいんだよね梅酒ゴックン | 奈々 | 夏 |
第三 | 575 | 好きなのはアレとあなたとこの季節 | 裕佳里 | |
4 | 77 | しっとりたれた三段ぱんだ | 千景 | |
月5 | 575 | かけた月ぽっと浮かんだ白い夜 | 裕佳里 | 秋 |
6 | 77 | 山のふもとに栗がころころ | 奈々 | 秋 |
1999年5月18日首尾 於 522教室
5 連句[ROCK] ●「片思い」の巻 のほほん座
発句 | 575 | 透明なゼリーのように風ひかる | 犬 | 夏 |
脇 | 77 | ドイツの国旗Tシャツの背な | 沙織 | 夏 |
第三 | 575 | まぶしくて彼の姿が見られない | 菖湖 | |
4 | 77 | 気づいてほしい私の気持ち | 々 | |
月5 | 575 | やせたいな月見だんごはおいしいな | 犬 | 秋 |
6 | 77 | 草の穂ゆれるキャンパスの道 | 沙織 | 秋 |
1999年5月18日首尾 於 522教室*
6 連句[ROCK] ●「ヒト」の巻 よこみち座
発句 | 575 | ぐらぐらと揺れる世界で煮るソーメン | 巽 | 夏 |
脇 | 77 | 扇風機の前はしを持つ君 | ダヤン | 夏 |
第三 | 575 | がめつさに百年の恋興ざめだ | 々 | |
4 | 77 | けれども私満で十歳 | ディッヒ | |
月5 | 575 | かぐや姫月に帰って酒盛りを | 巽 | 秋 |
6 | 77 | いつのまにやら枯れたコスモス | ダヤン | 秋 |
1999年5月19日首尾 於 522教室*
7 連句[ROCK] ●「タローちゃん」の巻 Aの2座
発句 | 575 | 夏木立あなたの姿見え隠れ | 鳴瀬 | 夏 |
脇 | 77 | きらきら光るプールの水面 | さいこ | 夏 |
第三 | 575 | 知り合ってこれからふたりどうなるの | 智子 | |
4 | 77 | 吐息聞こえる午後の図書館 | かえ | |
月5 | 575 | 白い月ぬぼっと立ってたタローちゃん | セイラ | 秋 |
6 | 77 | コスモス秘める君の思い出 | かえ | 冬 |
1999年5月19日首尾 於 522教室
*タローちゃんは桜花学園大学の某教授。
8 連句[ROCK] ●「夏の月」の巻 キムチ座
発句 | 575 | 肩ごしに見える人波夏の月 | モンブラン | 夏 |
脇 | 77 | うちわがわりにあおぐ下敷き | 柚子 | 夏 |
第三 | 575 | 知り合ってこれから二人どうなるの | 智子 | |
4 | 77 | 鯛焼き一つ半分こでね | モンブラン | 冬 |
花5 | 575 | 子猫ちゃんニャーンと鳴けば花曇り | 々 | 春 |
6 | 77 | お散歩しよう素敵な春を | 柚子 | 春 |
1999年5月19日首尾 於 522教室9
*「知り合ってこれから二人どうなるの」は先輩の笹井智子さんの句。気に入ったら第三に共通使用許可。
9 連句[ROCK] ●「栗(まろん)の浪漫」の巻 浪漫座
発句 | 575 | 誰のためデオドラントを使うのか | 卓 | 夏 |
脇 | 77 | シトラスかおる海までの道 | 吉乃 | 夏 |
第三 | 575 | 水色の風をはらんだ白いシャツ | 卓 | |
4 | 77 | 飛ばされるほど軽くなりたい | オミ | |
月5 | 575 | 耳たぶに光るピアスの月の石 | 卓 | 秋 |
6 | 77 | 栗の浪漫地球制服 | オミ&吉乃 | 秋 |
1999年5月20日首尾 於 狐穴研究室
*ご存じ2年生。
10 連句[ROCK} ●「サングラス」の巻 さりま座
発句 | 575 | サングラス今年の流行パステルよ | リョウコ | 夏 |
脇 | 77 | プルプル揺れるゼリー大好き | サトコ | 夏 |
第三 | 575 | 砂浜のふたりの出会い青春白書 | リョウコ | |
4 | 77 | 彼氏と紅茶酔っちゃいそうよ | マヨ | |
花5 | 575 | 喧嘩して仲直りには花言葉 | 々 | 春 |
6 | 77 | ひらひら過ぎるモンシロチョウチョ | みんな | 春 |
1999年6月1日首尾 於 522教室
11 連句[ROCK] ●「失敗」の巻 ゴロウ座
発句 | 575 | 浴衣着て花火大会くりだそう | ゆみゴロウ | 夏 |
脇 | 77 | 蛍の水辺穴場発見 | 太朗さん | 夏 |
第三 | 575 | 知り合ってこれから二人どうなるの | 智子 | |
4 | 77 | 電話番号聞くの忘れて | ゆき姉 | |
月5 | 575 | 庭に出て夜空を見れば月冴ゆる | 々 | 冬 |
6 | 77 | 白一面の雪は冷たし | ゆみゴロウ | 冬 |
1999年6月1日首尾 於 522教室
12 連句[ROCK] ●「ワールド」の巻 ナルホド座
発句 | 575 | キャミソール肌をだすたび蚊の世界 | マンゴ | 夏 |
脇 | 77 | プールサイドにしずくキラキラ | イチゴ | 夏 |
第三 | 575 | 知り合ってこれから二人どうなるの | 智子 | |
4 | 77 | 先が見えない禁断の恋 | マンゴ | |
月5 | 575 | 月あかりあなたとずっとどこまでも | イチゴ | 秋 |
6 | 77 | 私はイナゴ私を食べて | ウメ | 秋 |
1999年6月1日首尾 於 522教室
13 連句[ROCK] ●「いとをかし」の巻 押狩(おすかる)座
発句 | 575 | 新緑の下では本が読めぬもの | 颯 | 夏 |
脇 | 77 | 嗚呼彼方へと飛びゆくセミよ | けめ子 | 夏 |
第三 | 575 | まどろんでそなたを想ふ午後三時 | ゆりな | |
4 | 77 | 愛馬(バイク)またがり逢ひにゆく路 | 颯 | |
月5 | 575 | 寒き夜に月見て白き肌思ふ | けめ子 | 冬 |
6 | 77 | 山茶花そへて渡す恋文 | ゆりな | 冬 |
1999年6月1日首尾 於 522教室1
14 連句[ROCK] ●「ふたり」の巻 ふたご座
発句 | 575 | 夏祭いつもと違う雰囲気で | ひとみ | 夏 |
脇 | 77 | 年に一度の浴衣が着たい | 々 | 夏 |
第三 | 575 | 絶対に言わせてみせる「きれいだよ」 | しんちゃん | |
4 | 77 | 心に響くヒトコトホシイ | えりか | |
月5 | 575 | 月明かりあなたとふたり銀世界 | しんちゃん | 冬 |
6 | 77 | きらきら光る冬の白樺 | えりか | 冬 |
1999年6月1日首尾 於 522教室1
15 連句[ROCK] ●「かわいい恋」の巻 ぴちぴちハート座
発句 | 575 | 夕焼けが彼と私を赤く染め | 潤一郎 | 夏 |
脇 | 77 | 風鈴チリリ心もゆれて | 々 | 夏 |
第三 | 575 | わがままも許しちゃってる恋心 | 和孝 | |
4 | 77 | かけたり引いてタイミングよし | 潤一郎 | |
月5 | 575 | 花盛り信じる者は救われる | 和孝 | 春 |
6 | 77 | こわれないでね赤い風船 | 潤一郎&和孝 | 春 |
1999年6月2日首尾 於 522教室
16 連句[ROCK] ●「蛍」の巻 正座
発句 | 575 | 夕闇のへだたり超えてとぶ蛍 | さい子 | 夏 |
脇 | 77 | 今宵限りのあなたの浴衣 | 白いカラス | 夏 |
第三 | 575 | 人波にまぎれゆく背を目で追いて | さい子 | |
4 | 77 | ケータイデンワ都会の喧噪 | かえ | |
月5 | 575 | 月冴ゆるソファーにもたれページ繰る | 白いカラス | 冬 |
6 | 77 | 紅組優勝遠き鐘の音 | かえ | 冬 |
1999年6月2日首尾 於 522教室
17 連句[ROCK] ●「人生波乱万丈」の巻 ねばり座
発句 | 575 | サングラス素顔かくしたあれは誰 | セイラ | 夏 |
脇 | 77 | 日焼けのあとがたぬきに見える | 才 | 夏 |
第三 | 575 | 室内もあなたがいれば大自然 | 鳴瀬 | |
4 | 77 | 荒れ狂う家具鳴り響くベル | セイラ | |
花5 | 575 | 月の夜火災はどこぞと消防車 | 才 | 冬 |
6 | 77 | オーバーはおり見物にGO! | 鳴瀬 | 春 |
1999年6月2日首尾 於 522教室
18 連句[ROCK] ●「あり」の巻 楽壱落座
発句 | 575 | アリさんにとられてしまったお弁当 | かなぶん | 夏 |
脇 | 77 | 期待ふくらむ夏の公園 | りん×2 | 夏 |
第三 | 575 | 待ちぼうけ私をバカにするカラス | かなぶん | |
4 | 77 | 電信柱の足長おぢさん | りん×2 | |
月5 | 575 | 冬の月ぼろぼろぼろぼろ濡れぞうきん | 々 | 冬 |
6 | 77 | 手袋がわりの彼のポケット | かなぶん | 冬 |
1999年6月2日首尾 於 522教室
19 連句[ROCK] ●「道」の巻 すすき座
発句 | 575 | 水ほしい道にひからぶみみずたち | 妹 | 夏 |
脇 | 77 | 燃える太陽麦わら帽子 | 姉 | 夏 |
第三 | 575 | バス停に息をきらして5分前 | 姉 | |
4 | 77 | お前の笑顔早く見たくて | 姉 | |
月5 | 575 | まるい月彼の存在重なって | 妹 | 秋 |
6 | 77 | あなたに送るコスモスの花 | 姉 | 秋 |
1999年6月2日首尾 於 522教室
20 連句[ROCK] ●「さそり座の女」の巻 美川憲一座
発句 | 575 | ボートでは両手拡げてタイタニック | ビューティフルマン | 夏 |
脇 | 77 | 津波を泳ぎ南アフリカ | カーニバル | |
第三 | 575 | 砂嵐風にまう砂きらきらと | ピエロ | |
4 | 77 | 天の川から彦星落下 | ビューティフルマン | 秋 |
月5 | 575 | 月明かりプラダみつがせかぐや姫 | カーニバル | 秋 |
6 | 77 | すすきゆゆらめく十五夜だんご | ピエロ | 秋 |
1999年6月2日首尾 於 522教室